愛媛経済懇話会6月度定例会 議事録
日時:令和4年6月16日(木)18:30~21:00
場所:東京第一ホテル松山 11F スカイブリリアン
出席者:合計 39 名 (出欠一覧)
議事
(1)定例会
①開会挨拶
会長 山崎 正人 様
②委員会報告
◆会員委員会 八石委員長
・退会会員:佐伯政和税理士事務所 佐伯 政和 様
・交代会員:南海放送株式会社取締役常務執行役員 山内 孝雄 様(専務取締役清水 啓介 様から交代)
◆地方創生委員会 早田 様
・えひめ南予きずな博 ※URL参照
◆地方創生委員会 岩田 様
・「えひめ南予きずな博」予土線沿線マップ紹介 ※別紙参照
◆顧問 上甲 様
・しまんトロッコ 列車の旅案内 ※別紙参照
◆レクレーション委員会 宇佐川 様
・中島BBQ 2022年7月3日(日) 実施案内
(2)講演会
- 演題:「最近の円高が示唆すること」
講師:愛媛経済懇話会 会長 山崎 正人 様
●最近の円安が浮き彫りにしたこと
・NETFLIX株価大暴落$690→$180
・会員数の減少がきっかけ
・フリーキャッシュフロー▲10億ドル(cf.Apple 895億ドル)
・企業経営のグローバルスタンダード:キャッシュフロー経営
→NETFLIXのように急成長しているが先行投資でキャッシュが乏しい新興企業は金利上昇が株式相場を直撃
・米国市場を直撃した金利上昇:物価の急上昇が原因
・米国消費者物価指数 1月7.5%→5月8.6%
・米国金利上昇&日本のゼロ金利、日米の金利差拡大
→円の全面安、円が最弱通貨へ
●円安
・日銀の認識:黒田総裁 総合的にはメリットの方が大きい
・日本経団連:大騒ぎ必要ない
・日本商工会議所:中小企業にメリットなし
・経済同友会:適切と思えない
・経団連会長:これ以上の円安は日本経済にマイナスの影響
【なぜ円だけがここまで低く評価されているのか?】
〇2つの視点(名目と実質、暮らしと貿易)
■名目と実質
・現在1ドルの商品:名目為替レート130円 実質為替レート 130円
→1年後 1.5ドル:名目為替レート 110円 実質為替レート165円
※名目レートは110円の円高になったが、実質レートは165円の円安
・諸外国は物価が上がり、日本だけは物価が低迷→実質為替レート低下→円を過剰なまでに割安な通貨にしてしまった
・実質為替レートは、名目為替レート、物価上昇率(インフレ率)の格差で決まる
・BMI:Big Mac Index(ビッグマック指数):ビッグマックを基準として各国の物価水準や為替相場を比較するための指標
・スイス20.2、米国0、中国-34、日本-41.7(2000年は+10.4)
・ビッグマックの価格差の最大要因:人件費
・アメリカカルフォルニア州看護師の時給>三菱商事
〇「名目と実質」のまとめ
・実質為替レートは通貨の真の実力を反映
・実質為替レートが長期下落した原因
(1)日本が低成長、低物価から抜け出せない
(2)日銀が大規模金融緩和を維持
(3)企業の生活拠点の海外シフト
(4)資源価格の高騰が相まって貿易収支の恒常的な黒字が解消、円に対する需要が減少
■暮らしと貿易
・貿易依存度:(輸出総額+輸入総額)÷GDP
・日本24.75 (cf. スロバキア151.48、韓国58.35,etc.):貿易は停滞
・恒常的に貿易赤字の国:米国、イギリス、フランス、スペイン等
・国家間の貿易は必ず不均衡、世界のトータルは必ず均衡
・貿易の目的:国際分業を進めて経済を効率化すること
・最適の国際分業で生産を効率化し豊かな暮らしを実現する→輸出も輸入も大事
・交易条件:輸出物価指数÷輸入物価指数(輸出品と輸入品の交換比率)
→より高く売り、より安く買う
・原油高と円安によって交易条件が悪化→国内所得の国外流出(日本が貧しくなる)
〇「暮らしと貿易」まとめ
・経済の最適効率を求めていけば貿易は拡大
・その際、貿易の黒字、赤字は大きな問題ではない
・大事なのは交易条件、よくしていくためには企業が競争力をつけるしかない
●「円」復活の道
・低成長、低物価、低金利の低体温経済から抜け出す
・企業が国際競争力をつけるとともに、生産性を向上させる
・日銀の金融政策への期待はNG
〇縮小し始めたニッポン
・ドコモ700店閉鎖、住宅展示場3割減
・投資が進まない本当の理由:所得が伸びないからない袖は振れない
※今回の超円安を日本再興のラストチャンスに!
(3)懇親会
- 乾杯の挨拶:株式会社日本政策投資銀行 松山事務所 所長 酒井 武知様
- 中締めの挨拶:衆議院議員 長谷川 淳二 様
2022-06-23